Kowa SE
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2019年、銀座の教会のジャンクコーナーから救出したジャンク。確か、200円だったような気がする。かねてからレンズシャッター式一眼レフを1台は所有したいと思っていたところに、この値段である。おまけに、シャッターには全く問題はなかったため、迷わずゲットした。
本機は、ファインダースクリーンの汚れに加え、コンデンサーレンズのコーティングの劣化により視界が暗いなど、ファインダー光学系にかなり問題があった。また、レンズも多数の拭き傷とカビが見られたが、清掃すれば描写には影響のないレベルであった。露出計も特に問題はなく、分解、清掃により現役復帰できた。
キャベジンコーワなどの医薬品で知られる興和の光学事業部が1964年(昭和39年)に発売したカメラで、外光式の連動露出計を搭載し、50mm1.9のレンズを固定装備したカメラ。昭和30年代、ドイツ、ツァイスイコンのコンタフレックスに触発され、レンズシャッター一眼レフがちょっとしたブームになった時期があった。興和は、レンズシャッター一眼レフメーカーとして、東京光学と並ぶ2台巨頭の一つであった。
一般に、レンズシャッター一眼レフは、シャッターをシャッターメーカーに外注でき、比較的廉価に一眼レフを開発できるメリットがあった半面、非常に構造が複雑になり、故障しやすく、また、重量が比較的重いという欠点があるのだが、このカメラを触ってみると、非常に堅実な作りであり、操作感も悪くない。コンタフレックスなどよりも設計は優れているのではないかと感じる。露出計は定点合致式で指針をファインダーで見て合わせる方式で、フィルムが巻上げ済みかどうかをファインダーに表示する機能もあり、アマチュアの使用を配慮した設計で使い勝手は悪くない。ただ、ファインダーは中央部のスプリットでしかピント合わせができないのは、一眼レフの長所をスポイルしていてもったいない。また、ミラーの昇降音が非常に大きく、シャッターを切ると、”ボション”と大きな音が響き渡る。
試写した限り、レンズの描写は期待以上に良好であった。重いため気軽に持ち出せるカメラではないが、愛着の湧くカメラである。
作例はこちら
http://photozou.jp/photo/list/3096382/9370367
アルバム: 救出したジャンクカメラたち
タグ: カメラ
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