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写真: 替え玉の盛り付け後@いっき・足立区西新井大師西 写真: タンメン@しゃきしゃき錦糸町本店・墨田区錦糸町

珍珍亭
  武蔵野市境5-17-21

 好物の油そばの発祥に関しては、武蔵野地区から広まったことは間違いないものの、具体的には国立のお店とする説と武蔵野のお店とする2説があるらしい。そのうちの、メディアに幾度となく取り上げられている武蔵野のお店を初めて訪れた。創業は1957年と東京オリンピック開催の7年前で、今から63年も前のことになる。想定していたよりもかなり早い、開店から10分しか経っていない11時10分にお店に着いたら、定休日前の土曜日ということもあってか既に10人ほどが並んでいた。暖かいものの北風が強めに吹く中、30分ほど待って入店できたが、その時点で後続の行列は20人ほどに延びていた。メニューにはラーメンやチャーハンもあり油そば専門店ではないが、メニュー筆頭はやはり油そばだ。麺量に応じて並、大及び特大があり、事前調査で並は150g、大は2玉の300gらしいと分かっていたが、どちらにしても帯に短し襷に長しなのでかなり悩んだものの、油そばはスープが無い分満腹感は出にくいことから大にした。また、これも事前調査により、具材はチャーシュー、ナルト、メンマと至ってシンプルなため、食べてる途中で追加投入するにはピッタリな別皿提供のネギ盛も合わせてお願いした。800円+100円。
 口径が広くて浅い丼で登場した。丼の底には香味油と醤油ダレが張ってあり、あらかじめそれらに軽く馴染ませたほぼストレートの中太麺、さらにその上に赤身肉のチャーシュー、ナルト及びメンマが盛られている。麺と具材にもう一度タレ等を絡めるべく、丼の底にお箸とレンゲを突っ込んで何度となく底から反転させつつ混ぜる。麺はストレートの中麺。モッチリとした食感が印象に残るが、それ以上に感心したのは麺の食感、香味油の重さ、それにタレの甘辛具合等のバランスがピタリと取れていること。油そばといえば油っこい、しょっぱい、クドイなんて声を聞くことがちょくちょくあるが、さすがは60年以上続く老舗。醤油の香りは立つがしょっぱくはない、香味油でベトベトにはならないものの麺1本1本に上手く薄くコーティングされてチュルンと食べやすい、タレのベースになっている鶏主体と思われる動物系の旨味が麺に絡み付いて麺が美味いと、油そばの魅力を遺憾なく発揮しているところはさすがというしかない。デフォの味を十分確認したら、卓上のラー油とお酢を使って味変する。どのくらいラー油やお酢を使うかは、そのお店のラー油やお酢の辛さ、酸っぱさ、その時の体調・気分等によって異なるためこれだと言う正解は存在しないが、今回はラー油2回し、お酢3回しでちょうどよい塩梅になった。ラー油の控えめな辛さとツンツンしないお酢によるマイルド感及びサッパリ感の増強で食欲が増す。次いで、伝家の宝刀のネギ盛を丼に追加する。ちなみに、このネギ盛はメニューには「皿」と書いてあったが、実際は小ぶりのお茶碗に木口切りのネギがちょうど一杯分。これだけあれば麺の隅々まで行き渡らせることが出来る。ネギを加えると、その独特な辛味や清涼感、それにシャキシャキとした食感がプラスされ、また味わいが大きく変化するのが素晴らしい。具材のチャーシューはロースのようで厚くスライスされており、少し締まり気味ではあるがサクッと噛み切れる程度で、旨味は濃くて噛めば噛むほど肉の美味しさが分かる。ナルトも厚めで練り製品らしい風味が目立つ。メンマはジャグジャグと食感は弱めで味付けも薄味だが、特有の発酵臭はちゃんと感じられた。
 完食したが、オッサンにはやはり300gはしんどい。とはいえ150gでは味玉やワンタンをトッピングしたとしても物足りないだろうし。悩みは尽きない…か。

・お気に入り度:○

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